LTSpiceを用いてシミュレーションを行ったので載せておきます。
入力信号(Vc)は三角波です。
回路図
シミュレーション結果
Vc-Vout特性図
2011年8月10日水曜日
[電子回路] オペアンプを用いた無安定マルチバイブレータ - (3) シュミットトリガ回路
今回はオペアンプを用いた無安定マルチバイブレータを理解するために必要な知識として、オペアンプの正帰還を用いたシュミットトリガ回路の動作について学びます。
シュミットトリガ回路は上図のようになります。[1]
この回路は一見、ただの非反転増幅器に見えますが、負帰還ではなく正帰還になっていることからシュミットトリガ回路と判別します。[2]
(1) 出力電圧Vout
節点電圧Vaは、図より分圧を考えて次式で表されます。
またオペアンプの利得をAdとすると、
ここでとすると、 [3]
式(3.2)より ;つまり、オペアンプの入力電圧に少しでも差が存在すればVoutは∞(-∞)に増幅するように思えます。
しかしオペアンプの制限により、出力できる電圧の最大値は決まってしまいます。
よって実際には次のような出力となります。
なお、Vsはオペアンプの最大出力電圧の絶対値であり、一般にVddからオペアンプICの吸収電圧1~2Vを引いた値となっています。
(2) Vcを時間的に変化させたときのVoutとVaの変化
最初の状態としてVcがVaに対して十分に低い電圧であったとします。
このとき、式(3.3)より出力電圧Voutは+Vsとなります。
また節点電圧Vaの値は式(3.1)より、
このときのVaを+Vthとする。
ここで、Vcを少しずつ大きくしていった場合、
式(3.3)より、Vcが少しでも+Vthより大きくなるとVoutは直ちに-Vsとなります。
さらに式(3.1)よりVaも負の値(-Vth)になります。
次に最初の状態として、VcがVaに対して十分大きい電圧であったとします。
このとき、式(3.3)より出力電圧Voutは-Vsとなります。
また節点電圧Vaの値は式(3.1)より、
このときのVaを-Vthとする。
ここで、Vcを少しずつ小さくしていった場合、
式(3.3)より、Vcが少しでも-Vthより小さくなるとVoutは直ちに+Vsとなります。
さらに式(3.1)よりVaも正の値(+Vth)になります。
以上をグラフにまとめると次のようになります。
このようなグラフをヒステリシス曲線といい、
このような動作を行う回路をシュミット回路(または ヒステリシスコンパレータ)といいます。
次回は、オペアンプを用いた無安定マルチバイブレータの「動作説明」
シュミットトリガ回路は上図のようになります。[1]
この回路は一見、ただの非反転増幅器に見えますが、負帰還ではなく正帰還になっていることからシュミットトリガ回路と判別します。[2]
(1) 出力電圧Vout
節点電圧Vaは、図より分圧を考えて次式で表されます。
またオペアンプの利得をAdとすると、
ここでとすると、 [3]
式(3.2)より ;つまり、オペアンプの入力電圧に少しでも差が存在すればVoutは∞(-∞)に増幅するように思えます。
しかしオペアンプの制限により、出力できる電圧の最大値は決まってしまいます。
よって実際には次のような出力となります。
なお、Vsはオペアンプの最大出力電圧の絶対値であり、一般にVddからオペアンプICの吸収電圧1~2Vを引いた値となっています。
(2) Vcを時間的に変化させたときのVoutとVaの変化
最初の状態としてVcがVaに対して十分に低い電圧であったとします。
このとき、式(3.3)より出力電圧Voutは+Vsとなります。
また節点電圧Vaの値は式(3.1)より、
このときのVaを+Vthとする。
ここで、Vcを少しずつ大きくしていった場合、
式(3.3)より、Vcが少しでも+Vthより大きくなるとVoutは直ちに-Vsとなります。
さらに式(3.1)よりVaも負の値(-Vth)になります。
次に最初の状態として、VcがVaに対して十分大きい電圧であったとします。
このとき、式(3.3)より出力電圧Voutは-Vsとなります。
また節点電圧Vaの値は式(3.1)より、
このときのVaを-Vthとする。
ここで、Vcを少しずつ小さくしていった場合、
式(3.3)より、Vcが少しでも-Vthより小さくなるとVoutは直ちに+Vsとなります。
さらに式(3.1)よりVaも正の値(+Vth)になります。
以上をグラフにまとめると次のようになります。
このようなグラフをヒステリシス曲線といい、
このような動作を行う回路をシュミット回路(または ヒステリシスコンパレータ)といいます。
次回は、オペアンプを用いた無安定マルチバイブレータの「動作説明」
[電子回路] オペアンプの等価回路
2011年7月23日土曜日
[電子回路] オペアンプを用いた無安定マルチバイブレータ - (2) RC回路の過渡応答
今回はオペアンプを用いた無安定マルチバイブレータを理解するために、RC直列回路の過渡応答を計算してみます。
上記のような回路図において、キルヒホッフの電流則(KCL)より修正節点方程式を立てる。
節点1について
節点2について
ここで 、つまりt=0で電圧Eの直流電源のスイッチを入れたとする。
として、式(2.2)の両辺をラプラス変換すると、[1]
これをVc(s)について解くと、
となり、さらに部分分数展開すると下のようになる。
したがって式(2.5)の両辺を逆ラプラス変換すれば、vc(t)が式(2.6)のように求まる。
ここでとしてvc(t)の時間的変化をみると下図のようになる。
次回は「シュミットトリガ回路」です。
上記のような回路図において、キルヒホッフの電流則(KCL)より修正節点方程式を立てる。
節点1について
節点2について
ここで 、つまりt=0で電圧Eの直流電源のスイッチを入れたとする。
として、式(2.2)の両辺をラプラス変換すると、[1]
これをVc(s)について解くと、
となり、さらに部分分数展開すると下のようになる。
したがって式(2.5)の両辺を逆ラプラス変換すれば、vc(t)が式(2.6)のように求まる。
ここでとしてvc(t)の時間的変化をみると下図のようになる。
次回は「シュミットトリガ回路」です。
注[1] : ちなみにvc(0-)は 、つまりコンデンサーの両端にかかる電圧の初期値を示している。^
2011年7月20日水曜日
[電子回路] オペアンプを用いた無安定マルチバイブレータ : LTspiceによるシミュレーション結果
一応、LTSpiceを用いてシミュレーションを行ったので載せておきます。
シミュレーション結果
理論値
回路図
シミュレーション結果
理論値
追記:2011/7/31 19:16
理論値の計算結果が間違っていたので訂正。出力結果とも全く違ってたのになんで気づかなかったんだろう..orz
理論値の計算結果が間違っていたので訂正。出力結果とも全く違ってたのになんで気づかなかったんだろう..orz
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